1ランク、2ランク、3ランク上の 義歯・入れ歯治療
そもそも入れ歯・義歯って?
総入れ歯
部分入れ歯
部分入れ歯は、歯を1本失った方から1本だけ残っている方まで、守備範囲がとても広い治療方法です。入れ歯を固定する装置だけでも、いろいろな種類があり、バリエーションが多いのも特徴です。
ブリッジのように歯を大きく削る必要がなく、インプラントのような外科処置の必要もなく、患者さんにとってはある意味、選択しやすい治療法です。ですが、歯のない状態によっては入れ歯等を使用しなくても不都合を感じなくなってしまい、そのままになったり、入れ歯を作ってもついつい使わなくなってしまう方もいらっしゃるようです。
義歯・入れ歯治療の一般的な流れ
- 前準備(補綴前処置)
- 一般的には、義歯・入れ歯は治療の一番最後に行うことが多いです。例えば、むし歯の治療、根の治療、歯周病の治療、歯を抜いたりなどの手術、詰める治療や被せる治療、噛み合わせなどの治療を全て行ってから、義歯・入れ歯の作製に取りかかることが普通です。 そもそも、残念ながら抜かなくてはいけない歯を抜いてから入れ歯を作るわけですし、部分入れ歯を支えるためのバネ(クラスプ)をかける歯がむし歯では困ってしまうわけです。
- 型取り(印象採得)
- 入れ歯をつくるために、型取りをします。症例によって、2度に分けて行います。 部分入れ歯を作る場合には、それを支えるためのバネ(クラスプ)をかける歯に、そのバネが乗るためのレスト座というくぼみを削ることがあります。
- かみ合わせ取り(咬合採得)
- 歯が多くなくなってしまった入れ歯の場合には、「はい、噛んでください」とは、簡単にいきません。咬合床と呼ばれる簡単な入れ歯のようなものを調整しながら、決定します。
- 仮合わせ(試適)
- かみ合わせを再現する器械に模型を取り付け、入れ歯を作製していきます。完成させる前に、きちんと入るかどうか、かみ合わせは正しいかどうか、歯並びはおかしくないかなど確認します。 問題があれば、改めてかみ合わせを確認しなおします。
- 完成・装着
- 出来上がった入れ歯を装着します。適合やかみ合わせなど、細かに調整をします。でも、実際にはこれで終わりではないんです…
- 調整 〜 装着後の調整が必要なんです!
- 入れ歯は、完成するまでにある程度の時間がかかります。そのため、お口の中に入れ歯が入ると、「これでひと段落」とホッとするでしょう。でも、これからが大切なんです。最終的な調整を行なっていく必要があります。 通常は、入れ歯が入ってから2〜3回ほど通っていただき、この最終的な調整を行います。入れ歯は、患者さんのお口の型をもとにして精巧に作られますが、それはあくまでも静止した状態であり、お口の動きを擬似的に想像しているだけでしかありません。ですから、お口に入れ喋ったりお食事をしていただいたりと、実際に使っていただき確認しなければいけないのです。この必要な調整を終え、はじめて入れ歯の治療がひと段落するのです。 痛む場合には、どんなふうに痛いのか、どうした時に痛いのかなど、詳しく教えてください。
- メインテナンス 〜 ずっと快適に入れ歯を使ってもらうために
- 「えっ、入れ歯入ったら、それで終わりじゃないの?」と思われるかもしれませんが、その後のメインテナンスも大切なんです。 合わない入れ歯を長く使っていますと、顎の骨が痩せやすくなってしまったり、部分入れ歯であれば入れ歯を支えている歯に負担がかかりやすくなってしまいます。とくに悪いところが感じられなくとも定期的にメインテナンスを受けましょう。
- 〈メインテナンスでチェックする入れ歯の項目〉
- ・人工歯がすり減りかみ合わせがおかしくなっていないかどうか
- ・歯ぐきとの適合は悪くなっていないかどうか
- ・入れ歯は汚れていないかどうか ・部分入れ歯のバネは歪んでいないかどうか
- ・部分入れ歯を支えている歯は健康か
- ・入れ歯にヒビが入っていないかどうか
定期的なメインテナンスを受けて、入れ歯の快適な状態を長く維持していきましょう。
義歯・入れ歯の種類
レジン床義歯
歯ぐきに似せた色のレジン(樹脂)で作られています。 保険適用になっていますので、手頃な価格で作ることができます。また、壊れた時にも修理が非常にしやすい利点があります。 しかし、壊れやすく、また一定の強度を出すためには厚みが必要なので、金属床に比べるとかなり厚く感じます。熱の電動が悪いので、食べ物の温度を感じにくい欠点があります。
金属床義歯
一般的な保険の入れ歯は骨格部分をピンク色のレジン(樹脂)で作ります。それに対して、金属床の入れ歯は金属で作ります。金属を使うため、たわみにくく、丈夫な入れ歯を作ることができます。
金属なので、格段に薄く仕上げることができるので、違和感は少なく、お口の中を広く感じさせてくれます。
さらに、熱の伝わりの良さで、一層美味しく食事を楽しむことができます。
金属床義歯の特徴
・薄く快適!会話が楽しい!
金属床の入れ歯は保険の樹脂のみでできた入れ歯の約1/3の薄さです。お口の中で違和感が少なく快適です。
・熱を通しやすく食事が美味しい!
金属床の入れ歯は温度をよく伝えるので、温かいものは温かく、冷たいもの冷たく、美味しく食事が楽しめます。
・残った歯にやさしい!
部分入れ歯では、残っている歯にバネをかけますが、金属床の入れ歯はバネをかけた歯の負担を軽減することができます。バネのかかった歯を抜かなければいけなくなってしまう割合が、約1/2というデータもあります。
・骨格部分が金属なので、たわみにくくしっかり噛める!
顎の骨の吸収も抑えてくれるという研究報告があります。
・設計に自由度がある!
金属床の入れ歯は設計に自由度があり、部分入れ歯の金属バネが目立たないように仕上げることもできます。また、お口の中の状態にもよりますが、入れ歯自体を小さく仕上げることも可能です。
※保険の入れ歯は、設計に保険制度の制限があります。
・修理、補修も可能なので永くご使用いただけます。
破損したり、歯が追加で抜けても修理・補修が可能です。最新技術を駆使することで、修理した部分がわからないほどの状態に仕上げることができますので、永くご愛用いただけます。
コバルトクロム
金属床の入れ歯として、コバルトクロム素材は最も歴史のある素材です。薄く、熱を伝えやすく、清潔で美しい状態で、永く快適にご使用いただけます。
チタン
コバルトクロムの入れ歯と比べ、圧倒的に軽い・身体に優しい・アレルギー反応を起こしにくい・金属味がしないなどの利点があります。ゴルフクラブや時計、人工股関節などで広く利用されている金属です。
ノンメタルクラスプ義歯
通常の義歯のバネの部分に、歯ぐき色の弾力のある特殊な樹脂を使用して、見た目を改善させた入れ歯です。薄くて軽いという利点もあります。
弾力がある分、壊れづらいのですが、噛むと口の中でたわんでしまい歯や歯ぐきを傷めてしまう欠点があります。
1本歯がなくなってしまい、前後に歯が残っている場合には、この材質のみのデザインでも大丈夫かと思いますが、多数歯がなくなってしまった場合には骨組み部分には金属を使用しないといけないのでは思っています(金属床義歯の項、参照)。
コンフォート義歯
コンフォート義歯とは、入れ歯の歯ぐきにあたる部分を生体用シリコーンというクッション材で覆う特殊加工技術です。これまでにない「噛みしめることができる」入れ歯を目指しています。
コンフォート義歯の特徴
・痛みをやわらげます!
生体用シリコーンは、歯ぐきと同程度のクッション性をもっています。歯ぐきにかかる圧力を軽減し、グッと噛みしめた時の痛みを軽減いたします。
・やわらかさが持続します!
生体用シリコーンを使っているので、変質や劣化に強く柔らかさが長期間持続します。また、特殊な加工技術により、これまでの軟性裏層材に比べて飛躍的にはがれにくくなりました。
・生体用材料だから安全です!
生体用シリコーンは外科手術などの医療分野で使われている素材で、人体への影響がありません。また、接着剤等を一切使用しておりません。
コーヌス義歯
残った歯に支台を作り、上から被せ物とその被せものに連結した部分入れ歯を装着します。支台と被せものが茶筒とその蓋のようにピタリと合って、義歯を安定させます。部分入れ歯特有のバネが目立つことはありません。
欠点は歯を削る量が多く、神経を取らなければいけないケースが増えます。また義歯を外すと、残っている歯でのかみ合わせが確保できないことがあります。
磁性アタッチメント義歯
残った歯の根に磁石(実際にはキーパーと呼ばれる金属)を埋め込み、その歯にのる入れ歯の裏にも磁石をつけて固定します。残った歯への影響を軽減でき、比較的目立たずに入れ歯を固定することができます。
神経が生きている歯には使用できず、歯を削り神経を取る必要があります。
お口の中に磁石を入れるという認識をされ(実際には入れ歯の方に磁石(磁性体)を埋め込み、歯の方にはその磁石にくっつく金属をつけます)、MRI検査のときに大丈夫かなと思われる方も少なくありません。しかし、磁性アタッチメントが適切な診断のもとに、正しい方法で使用されればほとんどのMRI撮影に関して問題はありません。安心していただいて、大丈夫だと思います。
磁性アタッチメントとMRI検査について、詳しくはこちら →
お手入れ
洗浄について
入れ歯は正しい手入れをしないと、長持ちしないばかりでなく、 汚れて独特のいやな臭いがしてきます。さらに口の中が赤くなり、 炎症を起こしてきます(義歯性口内炎)。1日使った入れ歯には目に見えなくても汚れが付いています。その汚れはカンジダという真菌(カビの一種)が主体ですが、これが義歯性口内炎などの原因となるものです。
- 毎日ブラシでみがきましょう。入れ歯専用ブラシを使うと便利です。
- 歯みがき粉には研磨剤が入っているので、入れ歯に傷がついてしまいます。 使わないようにしましょう。
- 少なくとも1週間に1度は、つけおきの入れ歯洗浄剤を使います。 殺菌・防臭効果があります。
義歯の取り扱いについて
- 保管時に乾燥させない
- 変形、変色、ひび割れの原因になるので、外して保管するときは、清潔なお水に漬けておきます
- 熱湯を使用しない
- 入れ歯は高熱により変形することがあります。絶対に熱湯(60度以上)に浸したり、かけたりしないでください。
- 落とさないよう、しっかりと持ってみがきます
- 洗面台に栓をして、洗面器を置いて水を張りその上でみがくと、うっかり落としたときに安心です。栓をしておけば、誤って流してしまうこともないでしょう。
9:00~12:30 13:30~18:00
(木曜日13:30~14:30はスタッフミーティングを行っています)
9:00~12:00
※ 休診 日曜・祝日
011-746-3155